2024.11.28
作家紹介
迎春を待つ
石川県金沢市で作陶されている山本恭代さんの梅枝唐草文壺形皿が再入荷いたしました。
前回入荷した際は、瞬時に旅立ってしまいご紹介出来なかった器です。
見込みには生き生きとした梅枝と上品な黄色で唐草が描かれています。
梅は、古くは奈良時代に中国(唐)から日本に伝わり、気品のある色と香りが平安貴族に愛され、彼らの屋敷の中に植えられました。
平安貴族の菅原道真も幼少期から梅をこよなく愛し、自邸の周りにたくさんの梅の木を自分で梅の木を植えたそうです。太宰府に左遷され、京の都を立つ際に詠んだ最も有名な和歌にも梅の花が登場します。
梅は、厳しい寒さの中で他の花よりも先に咲く姿からどんな困難にも耐える木、また春の到来を告げる吉祥文様でもあり、人気文様の一つです。
梅枝が描かれた山本さんの器は、全体は壺の形をしており、初めてこの器を見たときは「品があり、なんて愛らしこと」と思いました。
落ち着いた朱と黄色の絵付け、器の縁錆とリンクした枝の茶色に、上品な華やかさを感じます。
裏面にも、青で花唐草が描かれ、とても丁寧なお仕事ぶりがうかがえます。
これからの時期に出番が増えそうな器ですね。
また全体的な色や形から和だけでなく、中華やシノワズリなど色々なシーンに使えそうです。